第6回:仮想通貨はどんな世界を作るのか

仮想通貨が変えるインターネットの世界

ビットコインの登場から10年以上が経過しました。かつては一部の愛好家や尖った資産運用を好む人たちのものだった仮想通貨も、今では国家の準備資産や機関投資家のポートフォリオに組み込まれるまでになっています。資産運用の一環として保有している人も多いかと思いますし、近年では仮想通貨を保有することをプレスリリースした会社の株価が急騰したり、いきなり仮想通貨のマイニングを始めますとプレスリリースした会社もありました。直近はかなり価格を下げている仮想通貨ですが、様々な憶測もまたその価格の上下に寄与しているようです。そこで、私たちが本当に注目すべき仮想通貨のポイントはどこなのか、その背景にあるブロックチェーン技術は世界をどのように変えていくのか、運用から実用に変わり始めている仮想通貨の未来を考えてみましょう。

巨大企業から個人へ主役を戻すWeb3

Web3とは、「特定の巨大企業に支配されない、個人が主役の新しいインターネット」のことを指します。一方で、SNSやGoogle MapなどのこれまでのインターネットであるWeb2は、特定の巨大テック企業にデータと利益が集中する構造でした。仮想通貨の技術をベースとしたWeb3は、ユーザー自身が自分のデータやデジタル資産を直接管理する「分散型」の世界を目指しています。デジタル資産の真の所有を実現すべく、 ゲームのアイテムやアートあるいは特定のサービスの利用権がWeb上の「自分のウォレット」に存在し、運営会社の都合で消されることがないように管理できる仕組みです。そのため、様々な決済が民主化され、銀行を介さずにスマートフォン1台で世界中に数円単位から瞬時に送金できる。この資金移動の自由が、今後新しいビジネスを生み出すでしょう。

自律分散型組織(DAO)という上司がいない組織を作る

Web3の世界で最も画期的な変化が、"DAO"(自律分散型組織)という新しい組織の形成です。DAOとは、社長やリーダーがおらず、あらかじめ決められたルールやプログラムに従って参加者全員で運営される組織のことです。参加者は、特定の仮想通貨であるガバナンストークンを持つことで、プロジェクトの意思決定に参加します。報酬は貢献度によって支給され、会社に雇用されるのではなく、複数のDAOに参加し、自分のスキルを提供した分だけ報酬としてトークンを受け取ります。こうしたプロジェクト単位での働き方は、フリーランスや副業層にとっての徐々にスタンダードになりつつあり、仮想通貨がそんな世界を創造していると言えるでしょう。

現物資産のトークン化による、資産の民主化が加速

不動産を100円分だけ所有するといった、これまでは高額すぎて手が出せなかった都心の1億円単位の不動産を、ブロックチェーン技術で小口化することで100円単位でトークンとして所有することが可能になります。また、仮想通貨を活用することで、インフレに強いポートフォリオを形成することが可能になり、 円安やインフレといった環境下でも不動産や金といった現物資産を、仮想通貨の利便性で手軽に持つことができるようになります。資産の小口化によって、個人のライフプランニングもまた劇的に変貌していくでしょう。

2026年、日本における「仮想通貨」の転換点

日本国内でも、2026年は歴史的な転換点を迎えようとしています。暗号資産を「決済サービス」から「金融商品」として規制する動きが足元では進んでおり、分離課税(20%)への移行議論が本格化しています。また機関投資家も次々と仮想通貨投資へ参入しており、日本国内でもビットコイン現物ETFの解禁や、法整備が進むことで、これまで参入を躊躇していた法人や富裕層にとっても仮想通貨が有力な投資対象へと変化しています。


未来の資産を守るために

人口減少が進む日本国内において、円の価値は揺らいでおり、ドル円為替の円安進行も続いています。国境を越えたネットワークであるWeb3へのアクセスが、今後我々にも必要不可欠になる時代はそう遠くないのかもしれません。テクノロジーが作る新しい価値を理解して、自分の仕事や資産運用に活かしていくことでは無いかなと思います。

弊社では、不動産や生命保険といった伝統的な資産運用の方法に加えて、こうした次世代のデジタル資産に関する研究や啓蒙も推進しています。興味・関心のある方はご連絡ください。XのDMからでも承っております。

ヒルズ&パートナーズ株式会社 取締役 岡村 雄太