第18回:売買代金1.8兆円の衝撃 どこまでいくのかキオクシアとAI半導体相場
日経平均株価はついに6万円の大台を超え、62,000円を超えるまでに続伸しています。今日の夕飯は久しぶりにもんじゃ焼きを食べに行きましたが、隣の席に来たサラリーマンのふたりも会話の始まりは「キオクシア持ってる?」でした。今日1日の売買代金が1.8兆円だったことを知って、そりゃすぐ近くにいる人もみんな買っているよなと改めて思いました。
東京株式市場において、一つの銘柄がこれほどまでに市場全体を牽引し、圧倒的な熱狂を生み出す事例は歴史的にもとても珍しいことではないかと思います。2026年5月8日のキオクシアホールディングスは、単一銘柄の1日の売買代金として過去最高を記録しました。
日本の株式市場の主役に躍り出たキオクシアの驚異的な株価推移と、その熱狂を裏付ける半導体メモリー市場について深掘りします。
プライム市場の2割を占める歴史的な大商い
2026年5月8日の東証プライム市場におけるキオクシアの売買代金は1兆8257億円に達し、同社が4月14日に記録した1兆6447億円という過去最高記録をさらに塗り替えました。同日のプライム市場全体の売買代金が10兆9631億円であったことを踏まえると、市場全体の約2割の資金がたった一つの企業に集中した計算になります。日経平均株価が小幅に下落して方向感を欠く相場環境の中にあっても、同社株への資金流入は止まりませんでした。前日に制限値幅の上限であるストップ高水準まで買われた勢いそのままに、8日も利益確定の売りをこなしながら上値を追い、前日比2パーセント高の4万4490円で取引を終了して連日の上場来高値を更新しました。
証券アナリストも指摘するように、利益確定の売りが出てもそれを即座に飲み込んでさらに上昇していく、極めて旺盛な買い意欲が現在の株価を強力に下支えしているのではないかと思います。
時価総額24兆円到達と国内5位への躍進
株価の急騰に伴い、企業価値の指標である時価総額も爆発的に膨張しています。年初からの株価上昇率はすでに4倍を超えており、時価総額は約24兆円に到達しました。
この規模は、これまで日本市場を牽引してきたファーストリテイリングを抜き去り、国内で第5位に位置する水準です。上場からわずかな期間で日本を代表するトップ企業群の仲間入りを果たした背景には、短期的な値幅取りを狙う投機的な資金だけでなく、同社の中長期的な成長シナリオを評価した国内外の機関投資家による大規模な資金流入が激しく交錯している状況があります。
株価を根底から支えるAI特需とメモリーの供給不足
これほどまでの巨額の資金流入を引き起こしている最大の要因は、世界的な人工知能投資の爆発的な拡大に他なりません。生成AIの普及と高度化に伴い、膨大なデータを処理し記憶するためのデータセンター向け半導体メモリーの需要が急増しています。業界関係者の間でも、メモリー市場の需給は当面の間逼迫し続けるというのが共通認識となりつつあります。
この強力なメガトレンドは日本国内に留まるものではありません。海外に目を向ければ、同業である韓国サムスン電子の時価総額も1兆ドル、日本円にして約157兆円規模を突破しており、世界の巨大な投資マネーが半導体メモリー領域へ集中的に向かっている構図が鮮明に表れています。キオクシアの株価推移は、まさにこの世界的トレンドの日本市場における最大の受け皿となっている結果と言えます。
海外投資家が形成する日本の株式市場
ここからは個人的な勝手な感覚ですが、日本人は下がっている株を「割安だから今だ!今買っておけば反発して儲かる!」と考えて買いにいき、海外の投資家は上がっている株を「この調子でこのまま上がっていくだろうからもっと買おう!」と言って買いにいくのではないかと感じています。AppleやNVIDIAといった銘柄も最高値を更新し続けて今の株価があり、今の日経平均株価も海外の投資家が日本株を積極的に買うようになってから、高値を更新し続ける株価形成に変わっているのではないかと思います。


私もそうですが、日本の人が買いたいと思う株価チャートは、下の2択だとどうしてもBの方ではないでしょうか。Aはここがもう高値で、ここから下がっていってしまうように見えてしまうのは私だけでしょうか。


海外の投資家が日本株をどんどん買っている足元の投資環境では、Aを選ぶのが正解なのかなとも思いますが、皆さんはいかがですか。Bの株はまた高値付近まで戻ってくる気がしてしまいます。3か月後にでも、この2つのチャートのどちらが買うべき株だったのか、答え合わせをしてみたいと思います。皆さんの考えも是非教えてください。それでは。
ヒルズ&パートナーズ株式会社 取締役 岡村 雄太

